さよならをつげたなつ 旅路を告げた夏-THE FINAL SHOT

 

          あらすじ 「旅路を告げた夏」パンフレットより

 滝崎翔二は、フリーのカメラマンとして独立を志す二十七歳の青年だ。

彼の成功を左右させるオーストラリア単独取材への出発が決定した時。

彼は、最愛の恋人、藤谷霞純に旅行がてらの同行を誘ってみるが、

数ヶ月前から病床に伏したままの霞純は悲しげにそれを断り、

代って旅行く翔二に最後の我がままを打ち明けるのだった。

霞純の滅び行く身体が発する、本当に最後の我がままであった。

(中略)

そんな霞純の最後の我がままとは、翔二との思い出の場所、

初めて二人で登った晴美岳山頂からの眺めをもう一度みたいということだった。

(中略)

ある朝、翔二のアパートに霞純の妹霞織から「姉、危篤」の一報が入り、急な事態に彼は焦燥した。

(中略)

そして苦悩の果て、彼は霞純への愛、カメラマンとしての執念と本能を爆発させ、

晴美岳山頂の写真を一目彼女に見せるべく、カメラを肩に車を走らせた。

 

しかし、山の中腹で車は故障。

霞純死亡へのタイムリミットは、自らの足での登頂を翔二に強いた。

道無き道をカメラを肩に走る翔二。

何としても日没までに山頂に立たなくてはならなかった。

 

そんな翔二を木立の間から興味深げに追う一人の男がいた。

名は、高野元

 

街に望みを無くし、人込みを逃れ、この山の管理塔に住み込んで久しい彼の瞳に、

翔二の姿は滑稽でいて、しかし、懐かしく、忘れてしまった何か熱い物を映してくれた。

道に迷い、疲労と絶望で倒れた翔二に、元は近付いた。

翔二の持つ熱い「何か」をもっと感じたかった。

からかい、嘲りながら元は翔二を挑発する。

それは、人嫌いの元が示す唯一の交友の証でもあった。

やがて始まる激しい追い駆けっこ。

山を自由自在に走る元に翔二は執念で追い付いてみせ、元は遂に心を開き始める。

元は水先案内人となり翔二はそれに従った。

登山道を外れた急斜面。

人跡未踏の直登ルート、、、、、二人の強行軍が始まった。

 

次々と襲い来る大自然の壁と難関。

そして、刻々と確実に迫り来る霞純の死が、二人を混迷の最中へと陥れて行く。

二人は傷つき、いがみ、そして励まし合い、死力を尽くして登り続ける。

霞純へのファイナルショットを送るために、、、

 

後悔はしたくない。

この固い友情が、必ずや悲願の達成を叶えてくれることを信じながら、、、、、、、

 

1988年8月14日クランクイン・1988年11月20日クランクアップ

企画 ”菫色の風、君へ、、、”編集部

製作 METAL CARAVAN

トップページへ戻る